3GPP LTE(Long Term Evolution)は、今の3.5GといわれているHSDPA/HSUPAという高速データパケットアクセス・サービスを発展させた3GPPの次の段階を成すものだ。第3世代携帯電話規格3GPPの競争力を、今後10年以上保証する新技術といわれている。日本でもHSDPAに関しては実用化が進められており、すでにその次にくるLTEも視野に入っている。LTEの特徴は、遅延を抑え、パケットを最適化した高速データ・システムを提供することである。 3GPP LTEの仕様は3GPPリリース8で公開される。最高データ伝送速度はダウンリンクで100Mbps、アップリンクで50Mbpsに加え、仕様要求には、スペクトラム効率の大幅な向上および遅延の縮小が盛り込まれる予定だという。仕様にはネットワークの設置、運用コストなど、商用面に関する項目も含まれる。これらの要求を元に、エア・インタフェース伝送技術やプロトコルの技術コンセプトが策定されている。 ローデ・シュワルツもLTE測定ソリューションの開発に力を入れており、昨年の暮れから試作版を製作し、ユーザーの意見を聞きながら開発を進めているという。メインはヨーロッパ大手の携帯電話メーカーで、パートナーとして開発を進めている。日本もLTEに関してはかなり進んでおり、日本での市場調査を行いユーザーの声を吸い上げ、開発に盛り込む取り組みをしている。岩田哲氏は「ユーザーのところでデモを行う場合、測定対象の装置がないものですから、当社側の発生器、解析ソリューションとセットでデモを行っています。競合の計測器メーカーではそういったソリューションはありませんでしたから、業界ではどこよりも早く取り組んだことになります。そして、LTEのソリューションとしてラインアップし、日本では今年の4月19日に製品の出荷を開始しました。」と話す。 同社のLTEのソリューションとしては、信号発生器を使ったLTE信号の発生、シミュレーション、そしてアナライザを使った信号性能の評価を提供している。アップリング信号向けの測定オプションも近い将来リリースする予定だという。「今後は、信号発生器とアナライザだけにとどまらず、ユーザーのニーズに基づいて開発が進められていくと思います。現時点では、その2種類のソリューションを国内の携帯電話を開発している大手電機メーカーに持ち込んで評価をしていただき好評を得ています。」と岩田氏は言う。 今回同社が提供しているLTEのソリューションは、LTE信号生成とLTE信号解析だ。LTEの信号は、『ベクトル・シグナル・ジェネレータR&S SMU/SMJ』や、『ベースバンド信号発生器R&S AMU200A』、『I/Q変調信号発生器R&S AFQ100A』にソフトウエア・オプションを追加することにより生成できる。R&S SMU/SMJ、R&S AMU200Aの主な特徴は、周波数範囲が3GPP帯域すべてをサポート、最大二つの信号発生器を内蔵し干渉およびマルチアンテナ測定に最適、3GPPテストに準拠もしくはユーザー定義のフェージング・プロファイルによるフェージング・シミュレータ(オプション)、高速セトリング・タイムなどが挙げられる。 R&S AFQ100Aは、あらゆる用途に適したI/Q変調信号発生器で、多様な通信規格に対応し、被測定機器の直接接続を可能にするデジタル/アナログ出力を備えている。 主な特徴は、可変メモリ・クロック・レート(1kHz〜300MHz)、最大200MHzのRF帯域幅、最大100MHzのI/Q帯域幅、最大1Gサンプルの波形メモリ、アナログI/Q出力(バランスおよびシングルエンド)、デジタルI/Q出力(オプション)、マルチセグメント波形、R&S WinIQSIM2シミュレーション・ソフトウェアでR&S AFQ100Aを制御し各規格に準拠した信号を発生などがある。 LTE信号解析は、『シグナル・アナライザR&S FSQ』にソフトウエア・オプションを追加することにより行うことができる。ダウンリンク用にソフトウエア・オプションR&S FSQ-K100、アップリンク用にはソフトウエア・オプションR&S FSQ-K101が用意されている。R&S FSQの主な特徴は、ハイエンド・スペクトラム・アナライザがベース、周波数範囲は最大3.6GHz、8GHz、26.5GHz、40GHz、復調帯域幅は28MHz(オプションで最大120MHz)、オプションでアナログI/Q入力(バランスおよびシングルエンド)、3GPP帯域すべてサポート、最大705MサンプルI/Qメモリとなっている。 同社の製品について「当社の製品は、機能の盛り込み量も売りです。順次、様々な機能を盛り込んでいます。現在、LTEというマーケットが立ち上がり始めたばかりで、当社も完璧なソリューションを提供しているわけではありません。今後ニーズに応じて、様々な機能、ソリューションが盛り込まれていくことになると思います。メーカー側も手探り状態で、色々な実験をしながら、試験項目を選定しているので、そういった機能が当社の製品に盛り込まれるよう努めていきます。先行しているメーカーというのは、そういったものへの対応スピードは早いと思います。より細かく、精度良く、そしてよりスピーディに評価をすることが可能です。そういう意味で、当社は少なくとも他社の半年分先を進んでいると思っていますので、今後もこのLTEには敏感に対応していくつもりです。」と話す。 | |
 |
 |
ベクトル・シグナル・ジェネレータ R&S SMU200A |
 |
LTEダウンリンク・リファレンス信号の 詳細設定 |
 |
| I/Q変調信号発生器 R&S AFQ100A |
 |
| LTEオプションの選択 |
 |
ダウンリンクOFDMAタイムプラン。 リソース配分をカスタマイズ可能 | |