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実装技術に見る半導体デバイス技術動向

−『2007年度版 日本実装技術ロードマップ』社団法人電子情報技術産業協会から−

社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA:Japan Electronics & Information Technology Industries)が発行している『2007年度版 日本実装技術ロードマップ』は、隔年発行されているロードマップの第5版である。
「実装技術の高付加価値化を促進するため、実装業界のみならず関連する材料や製造装置業界のかたがたに対しても、準備すべきあるいは研究開発すべき技術の方向性や、とるべき戦略の方向性を示唆したガイドブック(序文より)」である。
その中から、今回は半導体デバイスに関する動向を抜粋し、紹介する。

■概況
電子システム集積化技術の進展
 IT(Information Technology)社会のさらなる進化をハード面で支える高度な電子システム集積化技術には、3次元モジュール実装技術のさらなる進化が必須である。半導体側からは、システムを取り込む各種部品機能を内蔵したウエハ積層3次元モジュールが提案され、プリント配線板側からは、プリント配線版に各種部品機能を埋め込んだ部品内蔵回路基板(モジュール基板)が、微細配線の一層の進展とともに、提案・開発されている。既にL・C・Rの受動素子とともにICを内蔵したモジュール基板を採用したSIP(System-in-a-package)が携帯電話やデジタルカメラ等のモバイル機器に実用化されており、機器の小型化・高機能性化のキーコンポーネントとして使用されている。この流れはさらに加速して、MEMSデバイスや光素子の取り込み、さらには、光配線や、キャパシタカップリング、インダクタカップリングといった無線によるインターコネクト技術の導入も予測されている。
 これらの技術は、電子機器側に存在した各部品やシステムをパッケージ側に取り込むことになり、従来の半導体、電子部品、半導体パッケージ、プリント配線版、電子機器という技術の境界が消滅する。このことにより、実装技術はシステム総合技術へと進化を遂げる。

 

■デバイス技術動向
 デバイス技術動向は2006年から2016年までが示されており、CCDやCMOSなどのイメージセンサは除外し一般的なLSIデバイスに限定している。製品は下記の4種類の製品カテゴリに分けてあらわされている。
Low Cost/Hand-held:
・ 500$(約55k\)以下の民生用電子機器。
・ PDA(Personal Digital Assistants)、  DVC(Digital Video Camcorder)など。
・ ユビキタス機器、携帯AV(Audio Visual) 機器。
Cost-Performance:
・ 500$〜3,000$(約330k\)の電子機器。  例えば、ノートブックPC、ディスクトップPC、    高性能ゲーム機器、通信用機器など。
High-Performance:
・ 3,000$以上の高性能電子機器。例えば、ハイエンドWS(Work Station)、サーバ、 スーパーコンピュータ、高度な技術を要する電子機器など。
Harsh:
・車のエンジンルーム内や宇宙環境で使用される電子機器。ここでは、各項目の表を掲載する。

 

■まとめ

 半導体デバイスについては以下のようにまとめられている。
 2次元的高密度実装では、ウエハプロセスの微細化の進展とともに、パッド・端子のさらなる狭ピッチ化が推進される。チップ接続技術の狭ピッチ化が課題である。ワイヤボンディング技術においては、狭ピッチ接続技術のほかに、Au線の細線化、狭ピッチ対応キャピラリ、ワイヤ流れレス封止技術、狭ピッチ対応フレーム・基板、狭ピッチ対応プローブ等のインフラ技術の開発が課題である。また、フリップ技術も主流になっていくが、高信頼接続技術、アンダーフィル技術、狭ピッチ対応インターポーザが課題である。
21世紀は、より高度な情報通信ネットワーク社会の構築が進展し、電子機器においてもますます高性能化するとともに、小型化・軽量化が進む。実装技術においても狭ピッチ化による高密度化が進むが、さらに3次元実装化や複合実装化が推進されていく。
 3次元化としては既に6チップ積層のMCP(Multi Chip Package)/SiP(System-in-a-Package)が量産されているが、さらに多層(つまり多チップ搭載)のパッ
ケージが要求される。ウエハの極薄化、特に極薄ウエハのハンドリングが課題である。また、極薄チップの抗折強度は小さくなるため、パッケージの低応力構造化も必要となる。また、インターポーザへの部品内蔵も広がり、SiPとの複合化も進む。バイパスコンデンサや抵抗を内蔵した複合基板をインターポーザとすることで小型・高速対応のSiPが実現され、フィルタやコイルの内蔵化により、ベースバンド部内蔵の1パッケージRF(Radio Frequency)モジュールが実現される。小型化や高速化に対応してはシリコンインタポーザが広く使われるだろう。多層化には、ウエハレベルでの積層技術も実用化される。高密度化に伴う放熱が課題で有り、高効率ペルチェ素子やマイクロマシンによる冷却システム等も実用化されるが、システム全体での放熱を考えていく必要がある。
さらには、Siデバイスや受動素子だけでなく、化合半導体デバイスやMEMSや光学素子との混載も広く実用化されよう。MEMSや光学素子との混載SiPにおいては、単なるセンサや光デバイスではな

く、システムとしての機能を期待される。どのような規模の機能を、どのような構
造で実現するか、開発課題は大きい。非接触インターコネクト技術、光伝送技術と電気伝送技術との融合も期待される。また、MEMSや光学素子との混載SiPにおいては、如何に低コスト化・高密度化を実現するかも大きな課題である。
 今後もますます科学技術の進歩が期待されるが、一方で省資源・省エネルギー化および地球環境との調和も重要な課題である。現在、環境対応として鉛フリー化・ハロゲンフリー化を推進しているが、さらに廃棄物ゼロを目指してのリユース・リサイクル比率の向上や、環境に優しい材料の開発が課題である。また、究極の省エネルギーシステムとして、ニューロン等の生体化学による回路システムの応用技術実現に向けて、企業・業界の壁を乗り越えた取り組みを推進する必要がある。

 

※『2007年度版 日本実装技術ロードマップ』P143〜
 146、社団法人電子情報技術産業協会 編