特別企画1 通信ネットワーク計測これからのMobile WiMAX™端末の開発時・製造時試験に最適な
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いよいよ実用化の始まったMobile WiMAX™。今後急速な立ち上がりが予想されるこの市場で機器メーカーが成功を収めるためには、設計から量産まで一貫した戦略のもとにスピーティーかつ合理的な製品投入が不可欠である。本稿では、物理層からプロトコル層まで、研究開発からコンフォーマンス・量産まで幅広くWiMAX機器テスト市場を牽引してきたアジレントが考える、今後の端末の開発と製造に必要な試験ソリューションについて紹介する。 |
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電子計測本部マーケティングセンター WiMAXマーケティングディレクター 北野 元 | |||
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| アジレントのラインナップが実現するトータルなMobile WiMAX測定環境 |
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アジレントは2004年9月、計測器ベンダとしては初めてWiMAX Forum®のRegular Memberとして、2007年3月からはPrincipal Memberとして参加し、複数のワーキンググループで標準化に貢献してきた。結果として、方式検討のような研究開発、RF回路やチップセットなど要素技術の開発からそれらを統合する商品開発、初期量産にいたるまで、あらゆる局面で必要とされる測定環境を提供することが可能になった。 研究開発〜要素技術開発:2005年、現在ではMobile WIMAXのWave1と位置付けられている韓国のWiBroの開発が開始され、同年末にはIEEE802.16e‐2005が策定された。アジレントではこれらに先駆けて、統合EDA環境としてADSを、信号源・スペクトラムアナライザと組み合わせWiMAX信号の生成・解析を行うSignal StudioおよびVSAといったソフトウェアを市場に投入し、2007年にはWave2対応させるなど研究・要素技術開発時から必要とされるソリューションをタイムリーに提供してきた。 商品開発・認証:2007年夏にはアプリケーション開発のためのテストや完成品の統合動作検証など、商品開発時に必要な試験ニーズの高まりが予想されたため、一台でRFからプロトコルまで端末の総合試験環境を構築できるWiMAXテスタE6651Aを投入した。また、開発ツールの提供だけではなく、WiMAX Forum認証試験システムとして、E6651AをベースとしたPCTを提供しているほか、Signal StudioおよびVSA を使用したRCT向けシステムをAT4 wireless社から、端末の認証試験として実施予定のRPTにもE6651AとMXAをしたシステムをETS Lindgren社より提供している。国内市場向けに無線機器を市場投入するためには電波法に従い技術適合証明を取る必要があるが、対応する広帯域移動無線アクセスシステムの技術基準適合性証明向け試験システムも発売を開始し、すでに財団法人テレコムエンジニアリングセンター様より受注している。 量産:今年中に本格化するであろう端末の量産が始まるのに先駆けて、MXG/MXAといった高速測定を可能にする新しい信号源・スペクトラムアナライザをリリースしたほか、MXZ1000やN8300Aなど端末のチップセットコントロールまで含めた自動端末量産試験システムも提供している。 以上のようにアジレントは初期研究から量産にいたるまであらゆる局面で必要とされる測定環境を提供している。 現在では前章で述べたように製品投入のリードタイムを短縮する商品開発時テスト環境と効率的な量産時試験が求められている。次章ではWiMAX端末テスタE6651Aとアジレントの量産試験パッケージを紹介し、これらがいかにリードタイム短縮に貢献し、量産効率を向上させるかを説明する。 |
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図1 アジレントのWIMAX測定環境ラインナップ。 今後の端末商品開発および量産に特に関連の深い測定環境を枠で囲った。オレンジ色の枠がE6651Aをベースにした端末の商品開発フェーズで求められる開発・認証ソリューション。緑の枠で囲ったのは国内市場参入するためには必須の技術適合証明試験システム。紫の枠は量産向け児童試験システム。 |
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E6651Aは一台で端末の開発時試験を全てカバーする多機能ワンボックステスタとして2007年6月にリリースされて以来多くの採用実績を積んできた。今では多方面にわたる測定の相関を確保するため、WiMAX端末の商品開発を行うメーカーが最初にそろえるべきゴールデンテスタとして提供している。その機能は大きく分けて四つある。 RFパラメトリック試験:E6651A にはプロトコル・スタックが内蔵されており基地局をエミュレート可能。擬似基地局として端末と呼接続を張った状態で送信機試験、受信機試験の両方を実現する。このためパワーコントロールや Loopback PER など呼接続環境でしか測定できない試験が可能になる。また、オプションの自動測定ソフトウェアを使用すれば、RCTドキュメントに記載のある測定項目をシーケンシャルに実行できるため、プリコンフォーマンステスタとしても使用可能。 機能試験:現実的な基地局をエミュレートしながら、Closed Loop Power Control、HARQ、AMC、Handoverなどフィードバック系の動作を管理された環境で検証可能。Wave2にも対応しておりMatrixA・MatrixB・Collaborativeの3種類のMIMOをサポート。さらにリアルタイムにPHY、MACのメッセージロギングが可能であり、トラブルシュートにも最適。 End to End のアプリケーションテスト:実網環境を机の上に実現可能。E6651Aの後ろに専用ゲートウェイとアプリケーション・サーバを立てることで、E6651AをRFからIPまでを繋ぐパイプとして機能させ、実際のアプリケーションが乗った状態で端末がどの様に動作するか、現実的なネットワークで試験することができる。 プロトコル開発、PCT:TTCN3 スクリプトによるプロトコルテスト環境も提供。プロトコル開発・動作検証を実施可能。またValidated Script を使った PCT も実施可能。 以上のようにE6651Aを使えばRF試験からプロトコル評価・アプリケーションが乗った状態での実網試験までが可能なため、ハードウェアのインテグレーション時やソフトウェア実装時の評価やバグ出しを、RF・プロトコル・アプリケーションのあらゆる方面から行うことができる。複数のプロセスにおける試験を一台で一貫して行えるため、開発におけるリファレンスとして機能する。 また、WiMAXの認証試験対策としてもユニークな位置付けとなっている。上述のように単体でRCTのプリコンフォーマンステストからPCTまで行うことができる上、ETS-Lindgren社より提供されている世界で唯一のRPTシステムもE6651Aを採用しており、今後端末の認証試験となる予定のRPTシステムへの拡張も可能である。(2008年2月現在) PCTとしてWiMAX認証の試験機関であるAT4 wirelessと韓国機関TTAで、RPTとしてAT4 wirelessに採用されている。実際の認証機関と同じ測定環境を開発現場に構築し、認証取得をより確実なものにすることが可能だ。 E6651Aを最初にそろえるべきゴールデンテスタと位置付けている理由はもうひとつある。mIOT試験をはじめ相互接続性を確保する上で、重要なツールであるという点だ。AT4/TTAなどの認証機関以外にも主要なチップセットベンダや一部の積極的な事業者に採用されているため、E6651Aと接続できれば他社のWiMAX機器と接続できる可能性が高いといえる。 以上のようにE6651Aは複数の開発プロセスのおける相関性、認証試験および他社製品との接続性の観点でゴールデンテスタとして機能し、最終製品に求められる品質や信頼性を犠牲にすることなく市場投入までのリードタイム短縮に大きく貢献できる。さらに上記のように製品に実装するソフトウェアの動作検証を徹底し設計保障することができるため、製造試験においてはどうしても個体差が発生するRF性能のみに絞り込むことも可能になるため、量産試験の効率化にも貢献する。
図2 Agilent E661A WiMAXテスタ |
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製品投入までのリードタイムの短縮および量産効率の向上が最重要課題のひとつであるこれからのWiMAX端末市場に対するアジレントの解は開発向けのE6651Aのみにとどまらない。アジレントではMXZ1000 WiMAX端末量産試験システム、N730xAシリーズチップセットコントロールソフトウェアといった複数の量産試験自動化パッケージを有し、これらのニーズに直接応えている。 量産効率の向上のためには測定における不要なプロセスをできるだけ排除し、試験内容を絞り込んでテスト時間をなるべく短縮する必要がある。たとえばキャリア遠方でのスプリアス輻射のレベルや耐フェージング性能など、設計保障が可能であったり個体差が出なかったりする性能は量産ではわざわざ測定されない。 ソフトウェア依存度が大きく設計保障がかけられ、かつ非常に時間がかかる項目であるにもかかわらず、特に携帯電話の量産試験などで残されている機能試験がひとつある。それは呼接続である。場合によっては何秒もかかる呼接続プロセスを量産試験から排除できれば、飛躍的に量産効率をあげることができる。Mobile WiMAXでは、E6651Aなどを使って呼接続のための機能試験を徹底して行い設計保障することができるため、非呼接続で高速な量産テストが望ましいと思われる。 呼接続を行うことのデメリットは測定の速度以外にもう一つある。量産設備コストが倍増する点である。量産において無線性能を検査すべく呼接続試験を行う前に、被測定端末を無線機として接続可能なものにするための非呼接続下での作業がどうしても必要になる。端末へ最初にファームウェアを焼き付けるためのEEPROMへのダウンロードや送受信のパワー校正などの作業がこれにあたるが、これらのステージでまず信号源やスペクトラムアナライザなどを使用した校正向けのシステムが必要となる。呼接続での無線性能検査を行うためには信号源やスペクトラムアナライザなどのシステムとは別にもう一システムが必要となるため、量産設備コストを押し上げる形となる。 こうした速度およびコスト面でのメリットにもかかわらず、携帯電話などのデバイスの量産においては非呼接続状態での試験が積極的に採用されてこなかった。主な理由は、非呼接続状態では被測定端末 の制御がほぼ不可能であったことにある。端末を制御し測定を行うには、チップセットをコントロールし無線状態を指定する必要があるが、チップセットへのアクセスはRF接続以外に提供されないことがほとんどだった。また、まれにPCからPCIバスなどを使用したチップセットの直接制御が可能な場合でも、提供されるチップセット独自のコマンドを元に端末コントロールのためのソフトウェアを端末メーカーあるいはODM/OEMメーカーが独自に作り上げるには膨大な開発時間とリソースを必要としたため得策でないという背景があった。 アジレントはこうした問題を解決するため、非呼接続状態での端末の制御が簡単に実現できるAgilent MXZ1000 WiMAX端末量産試験システム、N730xAシリーズチップセットコントロールソフトウェアをリリースした。EEPROMへのダウンロード、キャリブレーション、キャルデータのダウンロードからRF性能検査試験までを全てカバーできる。項目を取捨選択することももちろん可能であり、端末メーカー・OEM/ODMメーカーにとって量産に必要な全てがそろったパッケージとして提供している。これらを使用すれば、測定時間がかかり設備コストも跳ね上がる呼接続試験から脱却することが可能となり、量産効率を飛躍的に向上させることが可能となる。 これらの試験環境は信号源・スペクトラムアナライザ・N8300Aといった共通のハードウェアと、チップセット各種に対応する複数の自動化ソフトウェアから構成される。自動化ソフトウェアはチップセットメーカーと共同で開発されている。このため測定器だけでなく非呼接続状態でのチップセットのコントロールを含め、最適化・最速化がなされている。サポートしているチップセットとしては、Beceem・Intelといった先行メーカーのチップセットをすでにサポートしているほか、Fujitsu・GCT・Sequansなど他の主要メーカーと現在共同で開発中である。今後もサポートするチップセットベンダを積極的に増やしていく予定である。 以上のように、アジレントのMXZ1000やN730xAシリーズは、測定スピードを向上し設備コストを削減するため、端末量産の効率の向上に貢献する。また、端末メーカーやOEM/ODMメーカーの量産ライン構築の手間を省き、生産開始までのリードタイムの短縮に貢献している。
図3 Agilent MXZ1000 WiMAX端末量産試験システム |
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