FlexRay、CAN、LINなど、車載シリアルバスの解析ツール
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横河電機株式会社
電子化が急速に進む自動車産業では、電子制御ユニット回路の複雑化にともない、代表的な車載バスであるFlexRay、CAN、LINを利用した車載システムの開発・評価を行う解析ツールの需要が増大している。 『ビークルシリアルバスアナライザSB5000』は、FlexRay、CAN、LINに加え、UART、I2C、SPIの各シリアルバス解析を一台で実現したアナライザだ。FlexRayアイダイヤグラム解析とバスドライバ電気特性パラメータ測定を装備した業界初の製品としても注目される。
SB5710 ビークルシリアルバスアナライザ SB5000
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FlexRayの規格基準測定にいち早く対応 |
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FlexRayは、ヨーロッパの一部の自動車にしか搭載されていないのが現状だが、国内では次世代の主要バスとして注目されている規格だ。その規格採用に当たっては、国内自動車メーカー各社が実車に搭載する前段階として、規格や実験評価を議論している過程にある。 横河電機では、FlexRayの世界規模の規格化団体である『FlexRayコンソーシアム』やソフトPFの世界標準化を目指す活動をしている『AUTOSAR』、日本国内の共通化推進団体である『JASPAR』に加入し、これらの団体の中で、さまざまな開発の要求や仕様を策定するために、どのような解析項目が要求されるか、継続的にコンタクトを重ねているという。このように、最新情報を前向きに入手している点を見ても、他に抜きん出ているといえよう。しかも、先進的に活動をしているヨーロッパでの市場要求をドイツにある現地拠点で確認し、日本の開発にフィードバックすることで製品開発に活かすなど、その活動は特出している。 「規格の最新動向や市場の最新情報を継続的に入手することをキーポイントと考えていました。その結果、業界で先陣を切った提案を実現しています」と山本氏は胸を張る。 その中で実際に重要なFlexRay物理層信号評価実験項目である、アイダイヤグラム解析やバスドライバの電気特性パラメータ測定に対応している業界初の製品として、SB5000が提供されている。 SB5000では、通信システムの性能を評価するために、FlexRay Physical Layer Conformance Test Specificationで定義されているアイダイヤグラム評価方法に準拠したマスクテストやアイパターン(パラメータ)テストの実行を可能にしている。 マスクテストでは、アキュームレートされたテストパルスから、異常パルスのカウント数、異常部分の波形サンプルポイント数やその割合の算出を行い、結果を表示する。 もう一つのテスト機能として、画面上のズームボックスで指定した特定の1ビットに対して、同様のテストを行うことも可能となっている。FlexRay仕様書で定義されているマスクパターンを含めて、最大6種類のマスクパターンをプリセットし、試験に応じて呼び出す形になっている。マスクパターンは呼び出した後、必要に応じて変更(編集)することも可能である。 バスドライバの電気特性試験で要求される専用パラメータ演算機能も搭載し、トランスミッタ側、レシーバ側の特性測定パラメータの選択画面を表示することが可能だ。グラフィカルで分かりやすいメニューを使い、ソースチャンネルや試験対象となるパラメータを選択することで、各種遅延時間、差動電圧絶対値などの測定を簡単にする。
アナログ入力、ロジック入力に幅広く対応
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Break+Synch、ID/Data、ID/Data OR条件のトリガだけでなく、豊富なエラートリガを装備しているため、LINプロトコル仕様書で定義されている各種エラーであるParity、CheckSum、TimeOutなど、発生時のバス波形を捕捉し、波形やプロトコル解析結果をエラー情報とともに確認がすることが可能だ。 今日の基幹ネットワークや制御系プロトコルのスタンダードとして利用されているCANバスでも専用トリガが充実し、Start of Frame、ID、Data、Remote Frame、Error Frameの各トリガを搭載している。IDとDataを組み合わせたビット条件を最大4種類設定し、それらのOR条件でトリガをかけることも可能である。時系列で表示されたプロトコル解析結果リストでは、フレームごとに、フレームの種類、トリガ点からの時間、IDやDataなどの各解析結果を表示し、プロトコル解析結果とそれに相当する波形を1つの画面で関連付けながら、確認することができる。捕捉したCANフレームデータから、フィールドやフレームの種類などを指定することでデータを検索し、検索された波形をズーム画面に呼び出す機能を持っている。 FlexRayトリガ機能も充実しており、Frame Start、ID、Cycle Count、Data、各Indicatorビットなどの条件に加え、CRC、BSS、FESのエラー発生時にトリガがかけられる。物理層電圧波形を捕捉し、トリガごとにプロトコル解析結果とリアルタイム波形表示を実現した。 UARTトリガ機能では、7-bitまたは8-bit Data(Parity bitあり/なし)の条件指定に加え、Parity、Framingの各エラーを検出し、波形と解析リストをリンクさせて同一画面に表示する。 さらに、CANバストリガ&解析機能において、DBCデータベースファイルを読み込み、物理値によるトリガ設定や解析結果を表示できるため、CANの不良解析やトラブルシュートの効率を向上させることも可能だ。 カーナビゲーションやカーオーディオの内部通信として、広く使用されているI2C、SPIの汎用シリアルバストリガ解析機能も標準でサポートしている。
シリアルバスのオートセットアップ機能 |
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SB5000は、Hi-Speed CANとLow-Speed CAN、FlexRayとCAN、CANとLINというように、条件の異なる二つのシリアルバス信号を同時に測定し、解析することが可能だ。 車載用として一般的に使われているネットワークでは、メインCPUが存在するGatewayとつながる基幹ネットワークと、各アプリケーションをコントロールするサブネットワークが存在する。SB5000では、例えば基幹ネットワークとサブネットワークの条件の異なるバス波形を二つのズームエリアに同時表示し、相関関係を検証できるため、自動車のシステムやシーケンスの評価に対応する。 センサやアクチュエータなどのアナログ信号条件と、特定の車載シリアルバス信号との時間差でトリガをかけることも可能なので、運転手がブレーキを踏み、自動車が実際にブレーキを制御するとともに、安全のためにシートベルトを固定するといった一連のシーケンスの中で、決められた時間内に、タイミングのズレがなく、的確で安全性を確保した対応が取られるかどうかという、実験検証の用途を一台で実現できるメリットは大きい。
二つのバスを同時解析
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既存のバスアナライザでは、バスのセットアップが非常に難しく、横河電機でもトリガ設定や解析するまでの設定を簡単にできないかと、ユーザーからの強い要求を受けていた。そこで「豊富な解析機能を簡単操作で使いやすく」を追求し、業界初のシリアルバス専用オートセットアップ機能をSB5000に搭載した。 シリアルバス専用オートセットアップのメニューに従って、直感的に操作できるため、バスの種類と入力チャネルを選択するだけで、レコード長、時間軸、トリガ、解析のための設定が自動的に実行される。バス波形、プロトコル解析を自動表示するため、解析のためのセットアップ作業から開放される。 さらに、波形ビューア&波形解析用ソフトウェアXviewerが、アクセサリとして用意されている。「XviewerはWindowsベースのソフトウェアで、波形の細部を見るためのズーム機能やカーソル測定、パラメータの自動測定などを装備し、波形データをCSVやExcel形式のデータフォーマットに変換できます」と山本氏は特徴を挙げている。SB5000とPCをリンクさせて、取得したデータの確認の簡素化も実現する。 フロントパネルにアナログ4ch入力、リアパネルに8ビットのロジックデジタル信号コネクタが四つ用意され、ロジック信号を最大32ch入力できる。車載シリアルバスだけではなく、パラレルバス(ロジック)信号を同時測定・解析できるため、ECUのデバックに有効だ。ロジックアナライザで標準的に搭載されているステート表示、バス表示、シンボル表示機能もサポートし、アナログ信号とロジック信号を同時に測定した場合でも、画面更新レートを高速に保つことができるため、デバック時でもストレスの少ない測定や解析を実現する。
細かいデータ解析を実現する波形ビューアソフトウェア
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今回紹介するSB5000には関連製品として二つのデジタルオシロスコープ『DL9000シリーズ』、『DL9700/DL9500シリーズ』を用意している。DL9700/DL9500シリーズでは、アナログ4ch+ロジックロジック最大32ビットの同時観測に加え、高速表示・更新を可能にし、データのリアルタイム解析が可能だ。しかも、DL9000シリーズ、DL9700/DL9500シリーズ、SB5000共通のヒストリメモリを利用することで、長いメモリを分割して、必要な波形だけを取り込むことができるので、まれに起きる異常現象の検知に利用できる。ヒストリメモリ内に分割捕捉された波形は、アドレス帳のインデックスをめくる感覚で、1枚ずつさかのぼって波形とプロトコル解析の確認ができる。波形を連続再生、早送り、巻き戻しができるため、データの再表示に利用される。 横河電機では、SB5000が利用される『車載LAN開発』の他に、『ハイブリット・EV開発』『燃料電池開発』『車両評価』『ITS機器評価』の5つの自動車分野において、さまざまな計測器製品を提供しており、今後も自動車産業での幅広い活躍が期待される。
関連するデジタルオシロスコープも提供
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