トップ セミナー情報 バックナンバー 媒体概要 無料読者登録 お問い合わせ 技術調査会
トップ > バックナンバー > すべての電力測定をサポートし、確度保証3年も実現したAC/DCパワーハイテスタ3334

                              

すべての電力測定をサポートし、確度保証3年も実現した
AC/DCパワーハイテスタ3334

 

日置電機株式会社

 省エネルギーや省資源が社会問題化する中、電気用品安全法の製品試験や評価・検査に使用される測定器として『電力測定器』が注目されている。
日置電機では、各種電力試験に対応した電力測定器を『パワーハイテスタ』の名称で提供しているが、今回紹介する『AC/DCパワーハイテスタ3334』は、AC、DC測定をサポートし、高確度・高機能で、使いやすさと低価格を両立させている。DC〜5kHzの測定帯域を持ち、バッテリーや太陽光発電などの直流分野と、商用の交流電源測定をターゲットとしてカバーし、幅広い機器の電力測定をサポートしている。確度保証期間3年の長期保証も大きな魅力だ。

 

 

日置電機株式会社
FMI部技術4課  課長
徳嵩 文男

日置電機株式会社
FMI部技術4課  係長
長屋 実

 

 

AC/DCパワーハイテスタ 3334

 

 

 

AC、DC対応で、測定負荷を選ばない電力測定器

 パワーハイテスタ3334は、AC、DCの両方に対応しており、『AC+DCモード』『DCモード』のほか、『ACモード』の測定もサポートしているため、ACとDCが加算されているデータから、AC分の実効値だけを測定することが可能になった。しかも、電流値1mA〜30A、電圧値0.15V〜300V、実効電力値0W〜9kWの確度保証範囲があるため、ほとんどすべての負荷測定を実現している。バッテリーなどの直流測定の場合のように、電圧は低いが電流が大きいようなときにも仕様的に有利だ。
 それぞれの測定モードでは、次のような負荷測定が考えられる。
 ● AC+DCモード:ドライヤーなどの半波 整流負荷
 ● DCモード:バッテリーや乾電池などの、 純粋な直流負荷
 ● ACモード:一般家電製品やOA機器
 などの、商用電源負荷

 

 また、電力測定器として、従来製品同様に積算測定ができるため、バッテリーの充放電を積算測定したり、冷蔵庫やエアコンのようにON/OFFを繰り返す一般家電製品で、ある一定時間の積算電力量を測定して、そこから規格に適合しているかを評価することで、JIS規格での積算試験に対応することが可能となる。
 パワーハイテスタのような電力測定器は、その測定対象が多岐にわたり、幅広い分野をカバーできるのが大きな特徴だが、ここで紹介する3334のユーザーターゲットとしては、家電メーカー、自動車メーカーの他に、バッテリー駆動のクレーンや工作機械などとなっている。測定対象も、電池製品から家電製品、OA機器などと幅広く、それらほとんどすべての消費電力測定を1台のテスタでサポートできる点は大きな魅力といえよう。
 しかも、待機時の消費電力のように微小な電力測定もできるので、省エネルギーの観点からもその需要が高まっている。

 

 

 

 

 

 

コンパクトボディと簡単な操作性

 3334は、210W×100H×245D(mm)・2.5kgと、コンパクトで軽量な設計になっている。持ち運びがしやすいのはもちろんだが、フロントパネルのレイアウトが整理されているため、表示部分が大きく見やすいことと、コントロールキーを機能的に配置したことで、使いやすさも享受している。
 設定項目としては、AVG(データ平均化回数)、VT 比(変成比)、CT 比(変流比)、GP-IB アドレス、積算時間(1分〜10000時間)、D/A出力項目がある。また、機器情報としては、表示ホールド、リモートコントロール状態、キーロック状態(生産ラインの誤操作防止に便利)を個別表示でき、特に、『PEAK OVER』 警告表示は、スイッチング電源などの歪波形により、同製品の許容入力範囲を超えると点灯し、正確な測定をサポートしている。
 一方、測定項目としては10種類が用意されており、その中から四つを選択して同時に表示できる。
 「直流と交流が混在したような波形も測定できます。例えば、ドライヤーのように半波整流でも全波整流でも、出力切り替えについても正確に測定でき、交流専用の計測器では不可能といわれていた測定も可能にしています」と長屋氏は、同製品の測定範囲の広さを語っている。また、電圧、電流ともに極性別のピーク値測定ができ、起動時は突入電流やサージ電圧の測定を可能にしている。
 さらに、ソーラバッテリのように充電と放電の両方を測定する必要がある場合には、電流に向きがあるため、極性別の積算が必要になる。「従来の電力測定器では、負荷に使うだけの測定しかできず、負荷側に流れる電力測定と積算しかできませんでしたが、3334では発電している電力も測ることができます。充電と放電、つまりプラス側(充電)とマイナス側(放電)の電力の両方を測れます」と長屋氏はその有用性を訴えている。しかも、電力と電流の積算ができ、電流の積算は電池容量が、Ahourで表示されるだけでなく、消費回生プラス・マイナスと、その加算結果の3パターンが電流と電力で測定できるので、6パターンの測定が可能になる。
 もう一つの大きな特徴として、間欠制御などクレストファクタ(実効値に対するピーク値)の大きな波形も正確に測定できることがあげられる。待機電力は、回路的なダイナミックが大きくないと、波形をとらえられないが、同製品のクレストファクタは最小で3倍だが、レンジの1%から確度保証しているので、300倍まで対応できる。実効値では1mAという値しか表示しないが、ピークでは300mAの波形まで対応できることになり、正確な測定を実現している。

 

見やすく操作しやすいフロントパネル

3334のリアパネル

 

 

 

4chのアナログ出力と3chの波形出力

 3334のリアパネルには、4チャネルのアナログ出力と、3チャネルの波形出力が装備されている。

 4チャネルのアナログ出力では、電圧・電流・有効電力を同時に出力できる。出力は、DC±2V f.s.で、約5回/秒のデータ更新が可能だ。さらに、1チャネルの選択出力が可能で、皮相電力、力率、電流/有効電力積算の中から、任意のデータを選択して出力できる。

 

 

4チャネルのアナログ出力
上から「電圧」「電流」「有効電力」「有効電力演算」

 


 一方、3チャネルの波形出力では、電圧・電流・有効電力の瞬時波形を同時に出力できる。出力は1V f.s.で、サンプリング速度は74.4kHzだが、このサンプリングは電源が50Hz時:1488ポイント/1波形、60Hz時:1240ポイント/1波形に相当する。

  「アナログ出力はレベル変換したもの、つまり表示に対応したものを出力して、温度データのように長時間の変動に対応することができますので、オシロスコープやメモリハイコーダなどに接続することで、長時間記録ができます。低周波数のアナログ出力であれば、ロガーでも十分です」と徳嵩氏。安全なレベルに落として、出力して波形を取れるので、メモリハイコーダを使って、波形解析を行うこともできる。
 また、従来機種では電圧と電流の波形しか出せなかったが、有効電力といわれる電力の瞬時波形も出力可能で、瞬時的な電力の波形解析を可能にしている。

 

モータ起動時の波形出力
上から「電圧」「電流」「有効電力」

 

 

PCを利用したリモート計測とデータ管理

 パワーハイテスタ3334は、インタフェースによって2タイプが用意されている。
 同製品はRS-232Cインタフェースを標準装備しており、3334-01仕様ではRS-232Cと GP-IBが標準装備されている。同社がホームページで公開しているサンプルソフトはRS-232C版なので、どちらの製品でも利用できる。
 このサンプルソフトは、PCでデータ管理するためのソフトとしてプログラムリストも公開しており、ダウンロードしてそのまま使うこともできるが、一部ユーザーがカスタマイズして使用するもできるようになっている。
 サンプルソフトを利用すると、データを一定時間間隔でMS-ExcelファイルとしてPCに取り込むことができるため、ユーザーはMS-Excelの操作をすることで、測定データの平均値の演算や最大値の検索など、さまざまな処理が可能になる。しかも、出力をプリントアウトしたり、CSVファイルとして取り出すことで、他の処理システムに転送することもできるなど、自由度が大きくなっている。
 データ管理に関しては、通信の最速モードで取り込みができ、保存する時間を設定すると、日付、時間、電圧、電流、有効電力を測定し、管理することができる。
 また、サンプルソフトを使用することで、接続したPCからの操作が可能になる。本体のフロントパネルと同じ画面がPC上に表示されるため、PCを活用して本体と同等のキーで遠隔操作も可能だ。

 

 

 

表計算ソフトを使ってデータ処理

 

 

オートセット用途に応じて、幅広いパワーハイテスタ製品のラインアップ

 日置電機には、今回紹介したAC/DCパワーハイテスタ3334の他にも、用途に応じてさまざまな電力測定器がラインアップされている。それぞれの特徴を個別に紹介しよう。

●『パワーハイテスタ3333』
 今回紹介した3334より一回りコンパクトなパワーハイテスタ3333は、AC専用の電力測定器で、小型・低価格を実現している。
 測定レンジは50mA〜20Aで、表示も3種類までだが、基本確度±0.2%や確度保証3年間、インタフェース環境、使い勝手などは、3334の特徴と同等だ。生産・検査ラインで要求される、高確度・長期保証・簡単操作のニーズをすべて満たした電力測定器といえよう。
 もちろん、PCによる測定データの管理もサンプルソフトを活用することで可能だ。

 

 

AC専用のパワーハイテスタ3333

 

●『パワーハイテスタ3193』
 機器の総合評価に対応し、DC、0.5Hz〜1MHzの周波数特性を実現した広帯域の電力計だ。
 最大6系統の多系統ラインの同時測定が可能な高機能・高性能タイプで、電圧・電流・電力測定の他に、波形ピーク値・効率などの豊富な測定機能を備えている。

 本体は、搭載ユニットを工場オプションで指定するため、ユーザーの用途にあった構成を自由に選択することができる。入力ユニットも、3タイプの中から選択でき、的確な測定に対応させることができる。

 

 

広帯域の電力計
パワーハイテスタ3193

 

●『クランプオンパワーハイテスタ3169』
 最大4回路のデマンドと高調波を同時測定できるクランプ型のパワーハイテスタで、500mA〜5000A/75W(単相2線)〜9MW(三相4線)のワイドレンジに対応している。
 交流1周期ごとの高速連続測定が可能で、測定データはPCカードに自動保存できる。また、D/A出力を装備し、測定項目の4チャネルアナログ出力が可能な3169-01もラインアップしており、要求する出力形態に合わせて選択することも可能だ。

 

クランプ型の電力計

パワーハイテスタ3169

 

 

●『クランプオンパワーハイテスタ3168』

 600gの軽量、120W×170H×50D(mm)とハンディな、コンパクトサイズのクランプ電力計ながら、5A〜500A/1kW(単相2線)〜200kW(三相3線)のワイドレンジに対応している。
 測定項目データを、インターバルごとにPCカードへ自動保存できるほか、設定や測定データの転送に便利な専用ソフトも付属している。
 測定現場への持ち運びが負担にならず、利用範囲は広い。省エネ管理用の電力計としてさまざまな測定シーンでの活躍が考えられる。

 

 

コンパクトなクランプ型電力計
パワーハイテスタ3168

 

 

 このように、同社の電力測定器は豊富なラインアップで、さまざまな電力測定に幅広い対応を実現している。省エネルギーや環境問題に世間の耳目が集まる昨今、消費電力の測定に不可欠な測定器として、その有用性が大いに期待されている。
 同社では、電力測定器でこれらの問題に対応するだけではなく、同社のEco支援製品を購入するとユーザーに代わって植樹活動を行う『グリーンポイントキャンペーン』も実施しており、この点でも地球の温暖化防止を推進している企業である。