トップ セミナー情報 バックナンバー 媒体概要 無料読者登録 お問い合わせ 技術調査会
トップ > バックナンバー > AV主要品目 世界需要予測

                              

業界の動き
AV主要品目 世界需要予測 〜2012年までの需要展望〜

 

 このほど、(社)電子情報技術産業協会から、CE部会・調査統計委員会が2007年度事業としてとりまとめたAV機器主要品目の世界需要予測報告書が刊行された。2012年までの需要予測値を解説しており、新たな対象品目としてPND(Portable Navigation Device)について取り上げている。また、特別レポートとして、日本の地上デジタル放送受信機器(8品目)の2012年までの需要動向を掲載している。今回その概略とAVの方向性を、CE部会・調査統計委員会委員長の松本勝己氏に伺った。

 

  

 世界における予想対象品目は、カラーテレビ(CRT、液晶、PDP、プロジェクション)、録音再生機(DVDプレーヤ/レコーダ、ビデオ一体型カメラ)、オーディオ(ステレオセット、ホームシアター音響システム、デジタルオーディオプレーヤ)、カーAVC(カーオーディオ、カーナビゲーションシステム、PND)である。カラーテレビにおいて、液晶テレビ(10V型以上)とPDPテレビは、フラットパネルテレビ(薄型テレビ)としてまとめている(図1参考)。予想対象国は51カ国・地域でそれを世界計とし、AV予測には国内の19社が参加している。

 

(図1)世界のAV主要品目成長率の比較※

 

  

カラーテレビの需要動向

 世界のカラーテレビ需要動向は、2008年にフラット化率は50%を超える。総数は、2007年に1億8,532万台だったものが年平均5.0%の伸びで、2012年には2億3,612万台になる。フラットパネルの伸び率は15.9%で、CRTテレビが−10.6%となり平均して5.0%の伸びとなる。2012年の構成比はCRTカラーテレビ23.3%、フラットパネル76.2%、プロジェクションテレビ0.4%と予測している。
 日本におけるカラーテレビの需要動向は、これまで縮小していた需要が2007年に転換期を迎え、今後順調に拡大する。2007年にフラットテレビは、低価格化・大画面化・機能面の多様化などによりさらに需要が拡大する。CRTテレビの需要は加速的に縮小し、2009年にはほぼ100%フラット化される。2011年の地上デジタル放送完全移行後も、家庭内の2〜3台目買換え需要が続くと予測している。2007年には897万台であったのが、年平均5.9%の伸びで2012年には1,195万台になる。(図2) 「CRTが減っていくのはフラットパネルに置き換わるためです。フラットパネルのは小型から大型まで品揃えされ、急速に置き換わっています」と、松本氏は語る。

 

(図2)日本のカラーテレビ需要動向※

 

 

  世界におけるフラットパネルテレビを、地域別の需要動向で見ると、2008年に世界のフラットパネル需要は1億台を超える。今後中国、その他の国・地域でも需要は徐々に増加し、年平均15.9%の伸びで2012年の世界需要は2007年の2倍以上の1億8,000万台に拡大する(図3)。その内訳は、液晶カラーテレビは1億5,500万台、PDPテレビが2,500万台となっている。
 世界におけるCRTカラーテレビは、2007年に1億台を割りその後も年平均10.6%で減少していく。2012年の需要は2004年ピーク時の約4割の5,517万台まで縮小。そのときの地域別の構成比は、中国32.6%、中国を除くアジア30.4%、中南米24.4%と予測している。(図4)

 

(図3)世界のフラットパネルテレビ地域別需要動向※

 

 

(図4)世界のCRTカラーテレビ需要動向※

 

 

DVDの需要動向

 世界のDVDの地域別需要動向は、2008年以降は日米を中心とした次世代の拡大により市場は再び拡大基調となっていく。日本は、5.7%の増加で中国、その他の地域は堅調に増加しており、BRICsの伸びが拡大していく。年平均1.9%の微増で、2007年の1億1,067万台から2012年には1億2,172万台になる。タイプ別では、再生専門のDVDプレーヤが年平均1.7%の微増で、2007年の9,464万台から2012年は1億312万台になり、録画もできるDVDレコーダは年平均3%の増加で、同じく1,603万台から1,860万台になると予測している。
 日本のDVDのタイプ別需要動向は、2008年以降次世代光ディスクが拡大し、2011年まで2桁伸長になる。レコーダ比率が、2007年の56%から2012年には86%へ増えていく。(図5)
 「DVDにおいて2006年と2007年が落ちているのは、もともとのDVDから次世代光ディスクに移り変わっていく過程だからです。DVDレコーダーの落ち込みをまだ価格差のある次世代光ディスクがカバーできなかった結果と思われます。次世代光ディスクに移っていくことと放送のデジタル化への対応時期が重なっていることは、テレビにおけるフラットパネル化と地上デジタル化が重なっているのと同じです」と、松本氏は言う。

 

 

 

(図5)日本のDVDのタイプ別需要動向※
 

  

ビデオ一体型カメラ、ステレオセットの需要動向

 世界のビデオ一体型カメラの地域別需要動向は、2008年以降伸長率は鈍化するが微増で推移し後半は横ばいとなる。日本、米国、西欧では安定し、中国、その他地域の需要増が全体を牽引する。今後先進諸国では、テープ以外が主流となってくる。
 日本における、ビデオ一体型カメラをメディア別の構成比で見たとき、2006年に28%だったHDD/メモリー他の普及が急速になり、2007年には2倍増となり5割以上の構成比を占めている。ハイビジョンの構成比は、2006年の19%から2007年には49%へと拡大しており、今後も順調に増加し2010年にはほとんどがハイビジョンとなる。
 ステレオセットの需要は、デジタルオーディオプレーヤやパソコン利用によるリスニングスタイルの変化により、需要は世界的に減少する。先進国は2001年頃から減少傾向にあり、その他の国・地域も2006年から減少している。
 デジタルオーディオプレーヤは、日本は2007年に前年割れをし、世界における他地域はまだ順調だが、音楽再生機能付携帯電話の利用拡大により、2010〜2011年から微減してくる。

  

 

 

カーAVCの需要動向

 世界のカーオーディオ・ナビゲーションシステムの需要動向は、カーオーディオは2008年以降は横ばいになっている。カーナビゲーションシステムは、2008年以降年平均9.1%で伸長している。世界のカーナビゲーションシステムの需要動向は、2007年は前年比6.6%増加の785万台で、日本が5割近くを占め世界最大の市場となっている(図6)。ライン装置、純正オプションを中心に堅調に増加するが、西欧や米国ではフラッシュメモリを媒体とした小型モニタのPNDの市販市場がありその影響を受けている。中期的には、ナビ機能の利便性が理解され高機能なカーナビゲーションシステム需要が喚起されている。世界におけるPNDの地域別需要動向は、欧米を中心に急成長しており、西欧が最大市場となっている。2008年以降、年平均8.1%の安定した成長が続くと予測している。

 「カーカセットがカーCDに移りそれがカーナビに移っていっています。アナログからデジタルにそして多機能に移っています」と、松本氏は話す。

 

(図6)世界のカーナビゲーションシステム地域別需要動向※

  

 

日本の地上デジタルテレビ放送受信機器需要動向について

 2009年からテレビの総需要が単年で1,000万台を越え、2010年にはテレビの累計が5,000万台となる。2012年には受信機器の総需要が1億2,652万台になると予測している(図7)。
 地上デジタルテレビは、2007年は単年808万台、累計1,877万台となった。2011年は、単年1,183万台に達し、累計6,172万台と予測。2012年は、買い替え、買い増しの2代目需要もあり、単年1,195万台、累計7,367万台と予測している。
 地上デジタルチューナーは、2007年は、単年42万台となった。2011年は、単年45万台、累計177万台まで達するが、2012年は、単年30万台と需要は縮小すると予測している。
 地上デジタルチューナー内蔵DVDレコーダは、2007年は、単年291万台、累計575万台となった。価格が落ち着く2009年以降は次世代光ディスクが拡大、地上デジタル搭載率は100%と予測している。2011年の累計は2,455万台、2012年は単年650万台、累計3,100万台と予測している。
 ケーブルテレビ用セットトップボックスについては、2007年のケーブルテレビによる視聴可能世帯数は1,800万世帯と想定している。2007年は、単年140万台、累計489万台となり設置率は27%と推定している。2012年は、単年150万台、累計1,259万台になると予測している。
 地上デジタルチューナー内蔵パソコンは、2007年には単年46万台、累計94万台になった。2011年には、単年155万台、累計552万台と予測。2012年は、単年160万台、累計712万台になると予測している。
 参考資料として、車載用デジタルテレビ受信機器についてもデータが出されている。それによれば、2007年は、単年77万台、累計103万台となり、前年度比296%となっている。2012年は、単年200万台、累計811万台になると予測している。

 松本氏は、「アナログの機器が終焉を向かえ、ほとんどの機器がデジタルに移っていく、というのが大きく捉えたところからの話になります。デバイス的に言えば、フラットパネルが他のCRTなどのディスプレイデバイスに変わっています。DVDは次世代光ディスクに方式が変わっていきます。カーカセット、CDからカーナビといった多機能な複合した機器に変わっていくということができます。
 デバイスから見た進化の話と方式から見た進化の話、そして、デジタル化と多機能化ということが大きな方向性と捉えられます」話してくれた。

 

 

 

※図表はすべて(社)電子情報技術産業協会
CE部会・調査統計委員会:AV主要品目世界需要予測〜2012年までの需要展望〜2008年2月AV予測PGから転載