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監視、管理、トラブルシュートを1台でサポートする統合型ネットワーク・アナライザ『OptiView III 』

 

株式会社 フルーク

 

企業内ネットワークの『見える化』をサポートする、ネットワーク関連ツールメーカーのフルーク・ネットワークス。その代表的なソリューションがポータブル機器ながらOSI 7レイヤまでを1台でカバーする、ネットワーク管理者向けの統合型ネットワーク・アナライザ『OptiView III 』である。スイッチのハブに接続するだけでネットワークにあるすべてのデバイス情報を自動収集し、機器の設定間違いから、使用プロトコル、トラフィックなど幅広い情報を迅速に把握できる。日本法人の(株)フルーク、フルーク・ネットワークスマーケティングエンジニアの矢島和広氏に詳細を聞いた。

フルーク・ネットワークスマーケティングエンジニア
矢島 和広

 

 

OptiView III  

 

ネットワーク管理に重要な“見える化”

 フルーク・ネットワークスは米国の電子計測器メーカー、フルーク・コーポレーションのネットワークス部門が2000年に分社化して生まれたネットワーク関連ツールのメーカーである。『ネットワークの可視性を最大限に高めるためのソリューション』の提供を企業使命とし、顧客の重要なITインフラであるネットワークを常に最適な状況に保つための監視・解析やトラブルシューティング機器を製造/販売する。
 フルークがネットワーク事業に進出したのは1993年のことである。その後、95年に発売したデジタル計測方式のケーブルテスタ『DSP-100』、96年のハンドヘルド型ネットワークテスタ『One Touch』が市場で反響を呼び、事業が大きく進展。それを契機に分社化に踏み切った。現在、フルーク・ネットワークスは日本を含む50カ国以上で事業を行っており、ソリューションの納入実績はすでに2万件を超える。 なお、日本では(株)フルークが電子計測器とフルーク・ネットワークスの両事業を手掛けている。
 「最近は多くのツールメーカーが“ネットワークの見える化”という言葉を使うようになりましたが、われわれはフルーク・ネットワークスを創業したときから“ネットワーク・スーパービジョン”という言葉を使って、見える化に取り組んできました」と矢島氏は語る。
 見える化とは、ネットワークの管理担当者やネットワークユーザーに状況を分かりやすくクリアに見せてあげることである。ではなぜ、見える化が必要なのか。
 今日のネットワークはそこに接続される機器を含めて、稼働状態はきわめて安定している。それでも問題が頻発するのは、ネットワークが絶えず進化し続けているためである。多くの企業は新しい技術や新しいサービスによるパフォーマンス向上を求める。その結果、管理者は常に新しいインフラやアプリケーション、セキュリティ、ITコストの管理などの対応を迫られる。「問題は、一つひとつの信頼性は良くても、増えたり減ったりしていくうちに、ネットワーク全体が不透明になってしまうことです」と矢島氏。そこで、ネットワークの可視性が必要になる。ネットワークが変化する中でも技術やサービスの及ぼす影響を把握し、設備のパフォーマンスを発揮させるためにである。

 

 

 

OSI 7レイヤまでを1台でサポート

  フルーク・ネットワークス(以下、同社)の特徴は、電子計測技術で培った精密技術と見える化の技術をネットワーク管理用ツールに生かしている点。その代表的なツールがネットワーク管理者向けのOptiView III である。
 ネットワークの管理・監視用ツールには、ケーブルの状態をチェックするツールや、モニタリングツール、信号のパケットを取り込むツールなど、さまざまなものがある。通常、これらのツールやソフトウエアは製品として独立しており、トータルで管理する場合は、ユーザーはそれぞれを買い揃えなければならない。
 これに対し、同製品は、高性能プロトコル・アナライザ、RMON2プローブ、ネットワーク・テストに必要な統計モニタリング機能やトラブルシューティング機能などをパッケージ化。ポータブル・アナライザでありながら、1台でOSI 7レイヤまでをすべてカバーする統合型ネットワークツールという特徴をもつ。
 また最近のプロダクトには、テストツールをラックに組み込み、ソフトウエアによってネットワークの状態を監視するものがある。同社にもラック組み込み型の製品は存在するが、同機の特徴はポータブル型でバッテリ駆動であることだ。「以前は、ネットワーク上に設置して離れた場所から“見る”製品はあっても、ネットワークの利用状況や混み具合、機械の接続状況などを現場で“見る”ものはありませんでした。OptiViewを使えば、アプリケーションを走らせたとき、『パフォーマンスの悪い所はここだ』というのが、現場で簡単に見つけ出すことができるのです」(矢島氏)。
 操作は簡単。LANポートにネットワークケーブルを接続し、ケーブルの反対側を現場のスイッチ/ハブに接続して電源スイッチを入れるだけでよい。これによりネットワークにあるすべてのデバイス情報を自動収集でき、機器の設定間違いをはじめ、使用プロトコル、トラフィック情報など幅広い詳細情報を迅速に収集することが可能になる。

画面例:フロントページ

 

画面例:バウンスチャート

 

画面例:デバイスディスカバリ

 

画面例:プロトコルディスカバリ

 


 

見つけ難い問題を見つけ出すフリー・ストリング・マッチ機能

 OptiViewシリーズが初めて登場したのは2000年。 当時の製品は
OSにWindows98を採用、10/100Ethernet対応のものだったが、その後、ネットワークの普及進展に合わせて機能を大幅に強化。2007年2月に発売した最新バージョンのOptiViewIII はWindows XPを搭載、10/100/1000 BASE-T、1000 BASE-XX対応の仕様になっている。
 また同製品では、新たにフリー・ストリング・マッチと呼ぶ機能を搭載。従来、検知が難しかった非暗号化されたメール、Webページ、ファイルやドキュメント転送に含まれる特有の単語や語句のトラフィックを検知できる。また、貴重な帯域幅を浪費する可能性のあるストリーミング・メディア、あるいはセキュリティ・リスクによって問題を引き起こす可能性のあるP2Pアプリケーションなど、ネットワークでの使用が容認されていないアプリケーションを特定し、追跡することが可能だ。この機能を使用することで、より速やかに間欠的なパフォーマンス問題の診断が可能となり、従来、見つけ難かった問題を突き止め、トラブルシューティングに要する作業時間を大幅に削減できるという。

  

  

専用ボードとパソコンのダブルCPU構成

 同製品のハードウエア構成は電子計測器メーカーの流れを色濃く反映したものである。最近のネットワーク監視ツールには、フリーソフトを利用したソフトウエアベースのツールが多い。しかし、ソフトウエアはパソコンがないところでは使えない。また、ネットワークに接続できないというトラブルが発生した場合には、仮にアナライザのソフトがあっても、宝の持ち腐れになってしまう。
 これに対し、同製品はパソコンと測定器の特徴を上手に融合している。筐体に隠れて外からは見えないが、大雑把にいうと、同機のハードウエアはパソコンの上に測定器(専用ボード)を積載したものである。パソコンと測定器はそれぞれにCPUを持ち、パソコン側ではGUI(グラフィック・ユーザー・インタフェース)を担当し、実際の測定は専用ボード側で行う。つまり、収集したデータは測定用の専用ボードを経由してパソコン上のWindowsで表示されるというイメージだ。
 ケーブルとパソコンとが直接やりとりしているわけではないので、ウイルスが侵入したり、逆にばらまいたりするようなことはない。「パソコンベースの製品だと、ウイルス感染を防ぐために多くのセキュリティソフトを入れなければなりませんし、データの流出を防ぐ手立てを考える必要もあります。これに対しOptiView III はWindowsベースではあるものの、測定器なのでセキュリティに強いのです」と矢島氏。また、パソコンだけでデータを収集する場合には、パソコンの性能によってはデータの取りこぼしも増えるが、専用ボードでデータ収集を行うため、取りこぼしが少ないという。このあたりが、精密電子計測器メーカーのフルークがベースとなっている強みだ。高い測定精度と簡便なタッチパネル方式のカラーディスプレイ画面は、同製品の大きな魅力である。

 

 

ハードウエアのノイズ対策とソフトウエア評価が決め手に

 同製品は小さなボディに多くの機能を搭載するため、4枚の高密度基板が用いられている。だが、回路間や部品間の距離が短いだけに、結合容量が大きくなり、ノイズに影響されやすくなる。とくに測定器の各入力端子と接地間に発生するコモンモードノイズは大敵である。そのため、ノイズ対策には多くのエネルギを傾注したという。
 入力はマイクロボルトの微小電圧であるのに対し、接地の部分は何十Vという単位のことが多い。その間のギャップがノイズを発生させる原因にもなる。実際に「初めの頃は、インバータモータの温度を測っただけでも、値がおかしくなった」と同社ではいう。しかし、回路構成や基板パターンを徹底的に洗い直すことで、ノイズに強い製品を作り上げたのである。
 ノイズ対策と同様、力点を置いたのがソフトウエア評価である。同製品はアプリケーションソフトウエア『Datum-LOGGER』を搭載している。Datum-Yを最大10台まで接続して、パソコンからのリアルタイム測定や収集後のデータ解析、データ処理が行える優れたソフトウエアである。ただし、こちらも多くの機能を詰め込んでいるだけに、評価が大変だ。「ソフトウエアというのは、機能が10%追加されただけでも、その評価には何倍ものエネルギを投じなければならない」(村上氏)からである。実際に、ソフトウエア評価だけでも半年間の時間を費やしたという。

 

 

本年3月に分散型のWGAも投入

  一方、本年3月にはワークグループ・アナライザ『OptiViewシリーズIII WGA』を発売した。OptiView III のディスプレイの付かないタイプであり、インタフェースを装備し、ラックへの組み込みを前提とした製品である。支店などの遠隔地にWGAを据え置き、監視センタから集中的にデータ解析を行うことで、問題のあるサイトへわざわざ専門のエンジニアを派遣しなくても、時間と経費を節約しながら問題の迅速な解決が行えるというツールである。また、WGAとは別にOptiView III を購入しておけば、普段はリモート監視を行い、何かが起こったときには同製品を持って現場に駆け付けるという万全の体制を取ることができる。
 IT関連の管理者にはネットワーク知識に明るい人は多いが、工場など現場の担当者は、それほど詳しくはない。そのため、問題が起きても原因究明までには時間がかかってしまう。「工場などでは、最悪の場合、ラインが停止してしまうことだってあり得ます。OptiView III の良さは、専門知識に詳しくない人でも、スイッチ/バスに差しこむだけで、負荷がかかっている場所や問題個所の特定ができることです。問題個所が分かれば、ITに詳しい人が来るまでの間、その部分を切り離すというトラブルシューティングができるわけです」(矢島氏)。従来はIT関連企業などが顧客の大半を占めていたが、同社では今後、製造業の工場などへも積極的に売り込みを図る方針である。

 

OptiViewシリーズIII WGA