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トップ > バックナンバー > 高分解能 最小50μsI-Vパルス発生・測定、低ノイズの計測電源『6241A』

特別企画:カーエレクトロニクス計測技術
−先端企業12社の製品紹介−

高分解能 最小50μsI-Vパルス発生・測定、低ノイズの
計測電源『6241A』

 

株式会社エーディーシー

  

 

 (株)エーディーシーは、新しい計測電源6241Aを開発。基本確度0.02%、低ノイズ3mVpp(〜20MHz)に加え、50μs電圧・電流パルス発生・測定が可能である。車載制御モジュールでは、センサ擬似電源やセンサモジュール用電源として、また、コネクタ部の接触抵抗測定に使用できる。

計測電源とは

 電圧電流発生器は、測定器の校正や基準電圧源として使用できるように標準発生器がベースとなっており、通常の電源(パワーサプライ)とは異なる性格をそなえてる。現在、弊社の電源電圧発生器は標準電源(Working Standard)と計測電源(Measuring Source)の2種類の製品群に分かれている。
 半導体に代表される電子デバイスの直流特性評価を行う場合、電源またはバイアス用としての直流電圧電流発生器と電圧電流計が必要となる。その際、発生器と測定器を別々の機器で組み合わせて接続した場合、ケーブリングが煩雑となること以上に測定の正確さに問題が生じる。例えば、デバイスに電圧を印加して消費電流を測定するために電圧発生器と電流計を使用した場合、電流計の電圧降下によりデバイスへの正確な電圧印加はできない。また、低消費電流のデバイスではμAオーダの電流測定が必要だが、電源と電流計とのケーブリングでの誘導ノイズによって正確な測定は困難である。
 これらの問題を解決し、さらに簡単、高速に電子デバイスのDC評価を実現したのが計測電源である。図1に計測電源の内部回路を示す。
 

計測電源の特徴

 計測電源は、発生器と電圧電流計を組み合わせたシステムと比較して以下の特徴がある。
(1)電圧計、電流計の接続による配線からのノイズの影響が低減できる。
(2)電圧発生/電流測定の場合、電流計の電圧降下による誤差がなく、試料の両端での電圧が保証できる。
(3)電流発生/電圧測定の場合、電 圧計の入力抵抗や入力容量、およびリーク電流による誤差がない。
(4)発生と測定のタイミング・コントロールが簡単に行える

6241Aの主な性能

○±32V/±500mAの発生・測定
○最小パルス幅50μs、分解能1us
○出力ノイズ : 3mVpp以下
○発生確度 : ±0.02%
○電圧発生/測定分解能 : 10μV/1μV
○電流発生/測定分解能 : 1nA/100pA
○抵抗測定(0〜1.6GΩ)
○シンク可能なバイポーラ出力
○外部インタフェースGPIB/USBを装備

車載制御モジュールでの用途

 同機は、多目的に使える計測電源であり、半導体デバイスの特性試験をはじめ、電池の充放電試験、DC-DCコンバータ
の性能試験などその用途は広範囲である。

 車載制御モジュールまたはその周辺においては、以下のような使われ方がある。
 (1)車載制御モジュールに入力される各種センサの擬似電源。
 (2)センサ自体の特性試験。
 (3)車載モジュール周辺のコネクタ接触抵抗測定。

センサ擬似電源

 同機は電圧発生・測定0〜±32V、電流発生・測定0〜±500mAまで出力可能で、センサ擬似出力として十分にカバーでき、また、0.02%の高確度、電圧発生分解能10μV、低出力ノイズで正確で品質の良いシミュレート電圧・電流を発生できる。
 出力ノイズに関しては、定常状態で発生するリップル・ノイズとレンジ切換え時などに発生する切換えノイズがある。リップル・ノイズはVrmsで表現されている電源が多いが、Vpp(ピークトゥーピーク電圧)に換算すると通常約6倍程度の値となる。弊社では、本当に意味のあるVppでノイズを規定しており、同機では0〜20MHzで3mVpp以下の低ノイズを保証している。また切換えノイズは、レンジ切換え時フィードバックを掛けながら切換える方式を採用し、ノイズを最小限に抑えるとともに切換え時に0Vに落とさず不連続点の発生しないレンジ切換え方式によって測定スループットの低下を最小にしている。

各種センサの特性試験に

 車載制御モジュールには、各種センサからの信号が入力されるが、そのセンサの中にはサーミスタなどのように熱によって特性が変化するものも多くある。このようなセンサの特性試験をする場合、長い時間パワーを掛けて測定すると自己発熱により安定した特性がえられない。したがって、短時間のパワー印加で測定ができるパルス発生・測定機能が不可欠である。同機は最小50μsのパルス発生・測定ができ、安定した特性測定が可能である。

コネクタ接触抵抗測定

 車載制御モジュール周辺では、コネクタの接触抵抗測定において測定電流値を規定した測定が行われる場合がある。
 一般に抵抗測定としてはDMM(デジタル・マルチメータ)が使用されるが、上記のような場合、DMMでは、抵抗測定電流は固定であるため、対応が難しい。
 同機は、抵抗測定機能をもち、しかも測定電流を最大±500mAまで可変可能で、測定電流値を任意の値に設定可能である。また、測定電流を+/−に切り替えて測定し、両者の測定値の平均をとることで、コネクタやリレーの熱起電力の影響による接触抵抗のオフセットをキャンセルすることができる。(図2)
 この他に、接触抵抗測定で問題となるのは、抵抗測定時の開放端電圧である。DMMの抵抗測定開放端電圧は、5V〜10V程度である。コネクタ接触部に酸化膜ができてしまっている不良コネクタでは、この酸化膜によって接触抵抗が大きくなるが、開放端電圧が大きいと酸化膜が破壊され正常な接触に戻ってしまい、不良を見つけられない。同機は、開放端電圧を最小3mVまで可変でき、不良判定が正確に行える。

図2 熱起電力をキャンセルするコネクタ接触抵抗測定例
(株式会社システムハウス・サンライズ社製計測器用Excelアドイン・ソフト)