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特別企画:カーエレクトロニクス計測技術
−先端企業12社の製品紹介−

CANバスの
高度信号解析ソリューション

 レクロイ・ジャパン株式会社

はじめに
 レクロイのビークル・バス・アナライザ『VBAシリーズ』は、業界で始めてDBCに対応しトリガの設定、デコード情報、パラメータ設定などをプログラムされたメッセージの書式に応じて解析ができるCAN信号解析アナライザである。単にトリガとデコード機能を実現しただけでなく、CANバス信号を解析して重要な情報を抽出することによりシステムの信頼性などを多角的に捕らえることができる。


 

 

CANのトリガ/デコード機能

 レクロイのCANバス・ソリューションでは、CAN2.0規格に準拠し、11ビット/29ビットのIDに対応し、設定以下/以上、設定範囲内/範囲外など柔軟なトリガが可能であったが、IDが何を意味するか、あるいはデータがどのような意味をもつかについては設計者の指示がなければ困難であることが多かった。しかしながら、こうした設計情報は業界標準となっているDBCファイルにすべて記載されている。VBAシリーズはWINDOWSベースの利点を活かし、DBCファイルをそのままインポートすることにより、IDの名前、データのフォーマット、スケーリング、単位などを自動的に反映することができる。つまり、従来はID=210と設定していたものが、単にDriveShaftと設定すればよいこととなる。また、データ値を>4EAFのように設定しなければならなかったものも、>4200rpmのように設定することができるので、設定間違いを予防することができる。この機能はデコード時にも有効であり、捕らえた信号のデコードも、ID番号やデータ値のような無味乾燥なものではなく意味のあるメッセージとして表示することができる。図1は、このシンボリック・デコードの例であるが、捕捉されたパケットは、それぞれ、IDが解読されDriveShaft、Coolant、BodyData、wheelDataと表示され、下段にはDriveShaftのパケットを拡大して詳細が示されている。DLCが緑、データが青緑に色分けされてまとめられているので直感的に判別することができる。また、そのデータは前半のDShaftSpeedと後半のTorqueの2つに分けられ、それぞれ2645rpmと0.326kNmと表示されている。このように、プロトコル情報の解釈に時間をかけることなくCAN信号解析を大幅に省力化することができる。

図1

 

 

 

 

 

 

CAN信号解析

CAN信号の解析では、従来は測定対象のCANメッセージでトリガをかけ、タイミングを手動で計測することが一般的であった。しかしながら、こうした方法では効率的に統計的な解析などを行うことができない。VBAシリーズにはこうしたCAN信号の解析用のパラメータが用意されている。例えば、特定のCANメッセージと対応するアナログ信号との時間差を自動計測したり、特定のCANメッセージの発生間隔を自動計測したりすることができる。また、計測したパラメータはヒストグラムにして統計解析を行いばらつきの範囲を調べたり、トレンドやトラックを使って時系列表示を行って周期性を確認したりすることができる。またタイミング異常が確認された場合には、その原因を確認することができる。特定のCANメッセージを設定するのも上記のようにDBCを使ってメッセージ名で指定することができる。特に重要なパラメータは、CANメッセージのデータを数値に変換するCAN to Valueである。このパラメータはCANメッセージで送られてきたシリアルデータの値を数値に変換するものである。このパラメータの設定もやはりDBCを用いることで容易になる。さらに、この変換された値をトラックを使って時系列表示を行うと、仮想的にデータをDA変換してプロットすることができる。図2は、CANメッセージからハンドルの角度と角速度の変化をプロットしたものである。アナログセンサの実際の電圧波形との相関解析などもできる。個別部品の解析は勿論、システム・レベルの信頼性評価まで強力に支援する。

 

図2